授乳中のママがアルコールを飲んではいけない理由

授乳中のアルコール

妊娠を機に断酒されているママの中には「出産後はお酒を解禁しようかな…」と密かに心待ちにしている方もいるかもしれません。「授乳中の飲酒はダメと言われているけれど、どのような影響があるの?」「母乳育児中で心配だけど、育児のストレス解消にもなるし少しくらい飲んでも大丈夫かな」と罪悪感と誘惑の狭間で戦われている方も多いのでは無いでしょうか。恐れずに結論から述べると、授乳中のママはアルコールは出来る限り控えた方が良いです。今回は、授乳中のママのアルコール摂取が赤ちゃんにどのような影響を与えるかをとらなりに調べて書いてみました。

母乳から赤ちゃんにアルコールが伝わる

妊娠中の赤ちゃんはママの胎盤を通して呼吸をし、栄養をもらっています。この時にアルコールを摂取すると、へその緒から赤ちゃんの身体へアルコールが伝わってしまいます。加えて、気を付けるべき期間は妊娠中だけではありません。約10ヶ月の妊娠期間を経て「いざ、出産!」となった後も、母乳を飲む赤ちゃんにとって、ママの摂った水分や食べ物の栄養素が食事そのものになるのです。

母乳はママの血液からつくられている

女性のおっぱいは妊娠と共に胎盤から分泌される女性ホルモン「エストロゲン」の影響を受け、産後母乳を分泌するための準備として乳腺が発達し、増殖します。(このホルモンは妊娠中の母乳の分泌を抑えてくれています)

出産後は、子宮から胎盤が剥がれ出ると同時に「エストロゲン」が減少し、乳汁を産出させるホルモン「プロラクチン」と母乳を押し出す役割の「オキシトシン」が分泌されます。プロラクチンの働きにより乳腺の先にある乳腺房という袋をとりまく血管を通る血液から、赤ちゃんの発育に必要な成分や栄養分を取り込み、合成して母乳へと変化するのです。つまり、ママの血液や血液に含まれる成分によって、赤ちゃんに与える母乳の質も大きく変わってしまうのです。

お酒を飲むと血液中のアルコール濃度が上がる

お酒に含まれるアルコールはほかの栄養素と違って分子量が小さく、消化の影響を受けることなく胃からは約20%、小腸からは約80%が血液中に吸収されます。その吸収にかかる時間は、飲酒後約1〜2時間と言われています。吸収されたアルコールは、同時に肝臓により分解が開始されますが、飲酒後30分〜2時間後には血中アルコール濃度はピークに達し、その後はほぼ直線的に下降します。

母乳に含まれるアルコールの濃度

一般的に服用した薬の母乳中の濃度は、血液に含まれる濃度の1/100と減少します。それとは対象的に、母乳に移行したアルコール濃度は90/100以上となります。缶ビール1本(350ml / アルコール5%・含有量18g)を摂取した場合、17.5gの純アルコールが母乳に含まれることになります。恐ろしいことに、飲んだアルコール分はほとんどが母乳に移行しているのです。

赤ちゃんの肝臓は未熟なのでアルコールを分解できない

赤ちゃんは空腹になると何度も泣き、ママにミルクや母乳をねだります。特に新生児の頃は、気がついたら「え、また?」と思うほど、何回も分けて飲ませなければなりません。その理由は、赤ちゃんの胃や腸はミルクや母乳を飲み貯めることができないほど小さく、未熟だからです。また、赤ちゃんに与えるミルクや母乳が消化吸収の良いものでなければならない理由には、赤ちゃんの肝臓が未熟である点も挙げられます。このような未熟な消化器官の赤ちゃんがアルコールを飲んでしまうと、赤ちゃんの肝臓はアルコールを分解しきれず、体内に残してしまうのです。過去にアルコールを多量に摂取しているママから授乳された赤ちゃんが、急性アルコール中毒の症状を示したという恐ろしい報告もあります。

「ごく少量であれば問題なし」と言われているが…

以前までは、ストレス解消のため少量のアルコールはよしとされていました。しかし、ここ最近ではCMでも「妊娠中、授乳中のアルコール摂取は避けましょう」といったメッセージが流れるようになりました。

少量の定義は曖昧

少しの量と聞いて、具体的にどれ位の量を想像するでしょうか?ひとつまみ程度?小さじ一杯くらい?お猪口一杯くらい?試しに大辞林で「少量」の意味を調べてみると、「分量が少ないこと。わずかな数量。」とあります。この表現には具体的な数値はなく、個人によってその数量には大きな差が生じてしまい、その範囲は曖昧です。

厚生労働省も授乳中の飲酒は避けるべきと呼びかけている

厚生労働省の「飲酒のガイドライン」では、妊娠・授乳中はノーアルコールを推奨しています。その理由として、妊娠中は胎児の発育を阻害し胎児性アルコール症候群を引き起こすこと、アルコールは母乳に入り、乳児の発育を阻害することを挙げています。

また、アメリカの小児科学会(2012年)では、「アルコール摂取量は1日あたり0.5g / kg(ママの体重)以下を超えない範囲で、時折摂取するにとどめるべきである」と勧告しています。このアルコール摂取量は、体重60kgのママであれば缶ビール2本(350ml×2)、ワイン240cc程になります。(ノンアルコール推進派のとら的にはこの基準はちょっと甘すぎるかな…とも思ってしまいます。)

もしも飲んでしまったら何時間後から授乳できる?

アルコールの分解には個人差はありますが、平均的にビールの中瓶一本(500ml / アルコール20g)の量で、男性では2.2時間、女性では3時間ほどかかります。母乳に含まれるアルコール量を少なくする為、授乳中のアルコール摂取は避け、もしもガイドラインギリギリの量を摂取した場合は、飲んだ直後の母乳は搾乳・破棄し、3時間以上の間隔を空けてから授乳することが望ましいです。

アルコールを飲んだ赤ちゃんにはどんな影響が?

アルコールが赤ちゃんにとって良くないことが分かりましたが、具体的にはどのような影響を与えてしまうのでしょうか。

低身長や低体重

母乳は、赤ちゃんの体をつくるタンパク質やエネルギーとなる脂肪、脳や神経の発達に欠かせない乳糖、ビタミン類、ミネラル、塩分、ホルモン、酵素などの成長に欠かせない栄養がバランスよく含まれている万能な飲み物です。しかし、アルコールはこのビタミン類やミネラルの吸収を低下させ、塩分を排出し、酵素の力を低下させてしまいます。そのため、赤ちゃんの体の成長に必要な栄養分に不足が生じ、低身長や低体重といった身体の発育不足を招く可能性が考えられます。

記憶障害・学習障害

生まれてきた赤ちゃんには、大人よりも沢山の脳神経細胞を持っています。しかし、これらのネットワークは伝達物質が少ないため未熟で、栄養や経験などによりネットワークをより強固にしてゆきます。脳にはタウリンやアミノ酸などの発育促す栄養や、DHAなどの長鎖不飽和脂肪酸が不可欠になります。これらはバランスよく母乳に含まれているのですが、これらの栄養素はアルコールにより先に使われたり、分解・排出されたりしてしまいます。その結果、赤ちゃんの脳細胞に必要な栄養素が不足し、記憶障害や学習障害、運動機能の低下を引き起こす可能性が高いのです。

ママの身体にも影響があることも

母乳が出にくくなる

アルコールは赤ちゃんだけでなく、ママにも直接的に影響を与えます。摂取したアルコールにより、母乳を生成する「プロラクチン」は分泌が抑制されてしまいます。つまり、母乳が作られにくくなるのです。その上、赤ちゃんの吸い付きの刺激により母乳を押し出す「オキシトシン」も分泌が抑制されてしまうため、赤ちゃんがどんなに頑張って吸い付いてくれても、母乳が出にくくなってしまうのです。母乳が出ずに辛い思いをしながら母乳育児を頑張っているママも多いかと思います。しかし摂取したアルコールにより、その努力が水の泡になってしまう可能性が高いのです。

飲みたいなら「ノンアルコールビール」で気を紛らわそう

父乳が出ないとらが言えた義理ではありませんが、母乳で育てているママは夜もゆっくりと寝る間も無く、本当に大変だと思います。毎日、頑張っているからこそ「やっぱりストレスもあるし、飲みたい!」と思うかもしれません。でも、可愛い赤ちゃんのために毎日頑張っているのに、アルコールを飲んでしまっては本末転倒になってしまいます。

そんな時は、アルコール0%のノンアルコールビールでストレス発散してみて下さい。もともとビールが好だった方であれば、炭酸の刺激と苦味でフッと肩の力が抜けるかと思います。とらのオススメは俄然ノンアルコールビールえですが、最近ではビール以外にも様々なノンアルコールのカクテルやワイン、日本酒なども販売されています。気分に合わせて最適な物を選びながら、思わず飲みたくなる気分と、うまく付き合ってみてください。

そして最後に、授乳中のママの隣で美味しそうにビールを飲んでいるパパへ。ママがお酒好きだとすると、隣で美味しそうに飲んでいる姿はただのストレスでしかありません。もちろん、ママの考え方や性格によりけりなので一概には言えませんが、パパの前では「気にしてないよ〜」と言ってくれていても、実は内心、すごいストレスを溜めていた…という事もあるかもしれません。(はい、我が家のケースです。)

もしもパパが最近太ってきた事を気にしているのであれば、毎日のビールをノンアルコールビールに変えてみると、ダイエット効果も期待できます。

毎日のビールをノンアルビールに変えると、どの位ダイエットできるか?

2016.08.25

育児の負担はママに行きがちです。自分で動いて手伝える事は少なかったとしても、せめてママと一緒に禁酒してみて、協力姿勢を見せてみるのはいかがでしょうか。

とらのまとめ

なんだかアルコール反対派の恐怖政治みたいな記事になってしまいましたが、授乳中の飲酒は可愛い赤ちゃんにもママ自身にも悪影響がある事は、ご理解頂けたでしょうか。

  • お酒に含まれるアルコールの90%は母乳から赤ちゃんに伝わる
  • 赤ちゃんの未熟な肝臓は、アルコールをうまく分解できない
  • 赤ちゃんにアルコールが伝わると低身長や低体重、記憶障害・学習障害のリスクが上がる
  • アルコールによってママの母乳が出にくくなることも

授乳中にお酒を飲んでも、良い事は一つもありません。そんな時こそ、技術が上がって年々美味しくなっているノンアルコールビールで気を紛らしましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

パパープルタイガー

娘を愛してやまないIT系週末開発パパ。家では自由気ままにやりたいことをやりすぎて、しょっちゅう怒られている。とらなのにひつじに弱い。育児をきっかけにノンアルコールビールにハマり、美味しいノンアルビールを求めて日々リサーチを続けている。